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マニー・パッキャオvsアントニオ・マルガリート戦感想
ボクシングブログ

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とにかく凄い、の一言だった。

事前に予想を書こうかとも思ったのだが、どうしても考えがまとまらず・・・。

普通に考えたら、さすがにマルガリートとの体格差を覆すのは無理だろう。

でもこれまでも不可能を可能にしてきたのがパッキャオだから、今回も何とかするんじゃないだろうか・・・。

というような考えが頭の中でぐるぐる回り続けて、結局試合前に予想を書くことができなかった。

試合は僕の予想なんかはるかに超えた激しいものになった。

1ラウンドからパッキャオの鋭い右ジャブ、左ストレート、右フックがマルガリートの堅いガードの隙間に突き刺さる。

しかしマルガリートも多少の被弾を覚悟した上で前に出てプレッシャーを掛け続けた。

その内マルガリートの右目は塞がり、一方的な展開になってしまったが、途中、ボディブローでパッキャオの腰を落とさせたり、スリリングな素晴らしい試合だった。

序盤でパッキャオのボディブローが効いてマルガリートが後退する場面もあったので、早いKOもあるかと思ったのだけど、さすがにマルガリートは心も体もタフだったなあ。

でもパッキャオがもう少しボディを打っていればもっと一方的な展開になったような気もする。

10ラウンド終盤、マルガリートのジャブの引き際(=右の打ち出し端)にパッキャオが放った右フックは鳥肌ものだった。

最後まで戦い続けたマルガリートも素晴らしかったが、やっぱりパッキャオの凄さはずば抜けていた。

パッキャオはこれから誰と戦うのだろう?

今回の試合も、一旦増量しようとしたがスピードが落ちたので体を絞りなおした、と言っていたので、これ以上重い階級は厳しいと思う。

スーパーライトから重くてもウェルターくらいが今のパッキャオの適正階級だろう。

となるとやっぱり、パッキャオに相応しい対戦相手はメイウェザーしかいないと僕は思うのだけど、実現するのだろうか・・・。

パッキャオを苦しめるとしたら、マルガリートのような大きな体格の選手ではなく、下の階級から上がってきてパッキャオのスピードを苦にしない選手かも知れない。

下の階級にも、パッキャオほど速い選手はいないかも知れないけど・・・。

後は徹底的にボディを攻められる選手か・・・。

ロベルト・デュランやシュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズらが同じ時代にいたら、パッキャオとどんな戦いを見せてくれたのだろう、と夢想せずにはいられないが、それは無い物ねだりだ。

やはりマニー・パッキャオとフロイド・メイウェザーの戦いを見てみたいものだ。
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パッキャオ、何処まで往くのか。
 今晩は、いつも楽しみにブログを拝見させて頂いております。

 さて、今回も凄かったパッキャオですが、以前、貴兄が取り上げていた「ボクサーのウェイトトレーニング」の観点から、彼をどう分析なさいますか。

 貴兄のお考えを私は次のように理解しました。

1) 大部分のボクサーにウェイトトレーニングは必要ない。

2) 明らかな筋力不足、または、階級を上げるボクサーには、効果的といえる。

3) 但し、2) のケースで行う際は、自身のボクサーとしての展望に沿うかたちで、極めて(といっていい)専門的な知識と指導力を持つフィジカルトレーナーを必要とする。
 
ウェイトトレーニングは、一歩間違えると、ボクサーとしての動作連携、身体的バランスを損なう危険性がある。

 さらに、蛇足ですが、、、

4) フィジカルトレーナーは、テクニカルトレーナーと緊密な連携のもと、ボクサーのトレーニングを構築させる。


 マニー・パッキャオは、ご存じのように約10年の歳月を経て十階級を駆け上がり、うち六階級で世界王座に君臨しました。彼のフィジカルトレーナーを務めるアレックス・アリサは栄養学を内包しつつ、入念なウェイトトレーニングを敢行させているそうです。

 ボクシングビート誌(2010年5月号)に掲載された「ワイド特集」によれば、フレディ・ローチの要求は、体重を上げながら「より強く、より速く、よりインテリジェントなボクサーになること」とあります。

 ここで、着目したいのは、あれだけ階級を上げても衰えを知らないパッキャオのフットワークです。145ポンドでありながら、まるでバンタム級のようです。

 既に、wowwowや専門誌で報じられていますが、クロスカントリーのレベルを超えた、山あり谷ありのロードワークがあのステップを培ったのでしょうか。リカルド・ロペスにも同様の話が伝わっておりますね。

 フロイド・メイウェザーJr.がパッキャオとの対戦に慎重になるのも分かる気がします。この両者は、「パッキャオに勝てるのはメイウェザー、そしてメイウェザーに勝てるのはパッキャオ」といった評価にあると思います。

 そして、もう一人。セルヒオ・マルチネスVSポール・ウィリアムス(第二戦)は、動画などご覧になっていますか。wowwowの放送まで楽しみをとっておく、そのお考えかもしれないのでネタバレに注意します。
 
 ただ、この第二戦は初戦に劣らず本当に凄かった、そう思います。この勝者が、キャッチウェイトで150ポンドまで落とし、パッキャオと対戦したら、パックマンも危ないかもしれません。

 しかし、今のところ実現薄みたいですが、、、。

 
 最後に、嬉しい夜となりました。長谷川、粟生の両雄の王座復帰を祝します。今回、長文となり、ご迷惑と存じますが、貴兄のブログにて勉強させて頂いております。

    見張り塔からずっと 
見張り塔からずっと 2010/11/27(Sat)02:47:30 編集
パッキャオについて
見張り塔からずっとさん、今晩は、いつもありがとうございます。

ウェイトトレーニングについての僕の考えは、見張り塔からずっとさんがまとめて下さった通りです。

現時点では、僕は相変わらず「大部分のボクサーにウェイトトレーニングは必要ない」と考えています。

ウェイトトレーニングは強くなるための手段の一つで、正しく行えば効果を発揮するのでしょうが、ボクサーがボクシングのための正しいウェイトトレーニングを行うことは非常に難しく、ボクシングで強くなるという目的のためには、ウェイトトレーニングをするよりボクシングの技術を磨いた方が効率的だと考えているのです。

ただ、その考えが正しいという自信を持っている訳ではなく、このような考えはもう古いのかも知れないなあ、とも思っています。

今は、ボクサー毎に強くなるために必要なウェイトトレーニングを処方できるフィジカルトレーナーも多数いるのかも知れませんし、ウェイトトレーニングを行うことで技術が向上する場合もあるのかも知れません。


パッキャオについてですが、パッキャオがどんなトレーニングを行っているのか、詳しいことは不勉強にも知りません。

ただ、あれだけ体重を上げつつボクサーとしての総合的な能力を向上させ続けているのですから、ウェイトトレーニング、ロードワークを含めたパッキャオのトレーニングは、これまでの全ボクサーの中でも最高の成功例だと思います。


パッキャオの体で、他のボクサーと比べて特に目につくのは、ふくらはぎの太さです。

もちろん上半身も見事ですが、標準的なボクサーの筋肉のバランスと比べて、パッキャオのふくらはぎはかなり太い方ではないでしょうか。

実は僕は、ふくらはぎのような体の末端に筋肉をつけるのはあまり良くないのでは?と考えていました。

ステップする際も、ふくらはぎの筋肉を使うのではなく、より体の中心に近い筋肉(ふくらはぎよりは太もも、太ももよりは体幹)を使って動いた方が効率的ではないかと。

鋭いステップインでKOを量産したマイク・タイソンのふくらはぎは、太ももや体幹に比べると非常に細いものでしたし。

が、パッキャオのふくらはぎを見ていると、やっぱり速いフットワークにはふくらはぎの筋肉が必要なのかなあ、と思えてしまいます・・・。

あのふくらはぎは、きっとクロスカントリーのようなロードワークで鍛えられたんでしょうね。

そういえば、長谷川穂積選手のふくらはぎも、異常な程に発達していますね。


ボクシングでは、「強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ」とよく言われます。

身も蓋もない言い方ですが、ボクサーのトレーニングについても、「正しいトレーニングをした者が勝つのではない、勝った者のトレーニングが正しいのだ」と言えるかも知れませんね・・・。
BJ2号 URL 2010/11/29(Mon)18:09:09 編集
見張り塔からずっとさんへ
昨日WOWOWでセルヒオ・マルチネスvsポール・ウィリアムスの試合、見ました!
結果はボクシングマガジンで知っていたのですが、すごい試合でしたね。
見張り塔からずっとさんが仰る通り、この2人と戦ったらパッキャオも危険かも、と感じました。
パッキャオが速いステップで翻弄していたとしても、マルチネスの決定力があれば一発で試合を決めてしまう可能性が高く、一瞬も気を抜けない厳しい戦いになりそうです。

マルチネスはパッキャオやメイウェザーと戦えることをアピールするためにこの試合をミドル級リミットより軽いウェイトで戦ったそうですね。
WOWOWのHPによると、パッキャオと戦う場合は155ポンド(ミドル級最軽量)まで落とすと言っているそうですが、155ポンドだとさすがのパッキャオも厳しいのではないでしょうか・・・。

やはりパッキャオとメイウェザーの試合を見てみたいものです。
BJ2号 URL 2010/12/21(Tue)22:11:53 編集
返信おくれました。
BJ2号様。コメントを頂きながら、返信が遅れました。

御無礼をお許し下さい。

セルヒオ・マルチネスvsポール・ウィリアムス、本当に凄かったですね。

そして、セルヒオ・マルチネスは格好いい漢です。彼のボクシング、彼のコメントは世界王者にふさわしい、そう思います。帝拳ジムの田中繊大トレーナーは彼を高く評価し、大ファンだと聞き及びます。

ただ、マルチネスの技量に感服はしますが、私にとって、彼のスタイルはいささかスリリングでありすぎる、そんな時もあります。

贅沢をいっていますが、あの驚異のカウンターは、本当にスリルがあります。私など、観戦者に過ぎないのに、「怖い」と感じます。

そこで、BJ2号様に教えを請いたいのですが、何故、マルチネスのような優れたボクサーは、実力が拮抗した対戦者に「カウンター・パンチ」を打てる、決めることができるのでしょう。

私程度の素人ファンが、カウンター・パンチについて理解出来ることは、以下のような内容です。

1)これを決めるには、タイミングを得ること。ボクサー自身が、
自身と対戦者、双方の技量を分析した上で、タイミングを創る。

2)タイミングを創るには、対戦者の攻防における動作連携を「認
識」することである。

この「認識力」での表現は、貴兄のブログで学びました。

「認識」があってこそ、対戦者の動作に対する反射的動作が可能
になる。長谷川選手は、対戦者の呼吸まで、この「認識」をする
べく努めるという。

3)そして、トップ・レベルでは、このタイミングを創るための「罠」
を仕掛ける作業が必要となる。
フェイントなどトリックを使って、自分が望むタイミングで、カ
ウンターが捕れるパンチを、対戦者に打たせる。

4)3)の際、スピードやタイミングの変化を駆使できればさらに効
果を増す。
長谷川選手に勝利したモンティエルは、「変化」の使い手だと思う。
これにより、逆に対戦者が「認識」を誤る。

5)以上を成立させる条件として、スピードが挙げられる。
しかし、これは対戦者と比べ、相対的にやや劣る部分があっても、
ある程度なら「認識力」と「変化」で補える。以上は、抽象的な
表現であり、具体例としては一時期のA・アルゲリョがこれに該
当すると思う。

以上です。
ボクシングの実況解説では、パンチ力とタフネスを備えている選手が劣勢に立った場合、「よく相打ちを狙っていけ」といったコメントを聴きます。

ただ、今回のマルチネスがウィリアムスをKOした左は、その種類のものではないように思います。同時に繰り出されたウィリアムスの左に対し、マルチネスは自身の頭部を右へ逃がし、このパンチをちょうど左頸部から肩へと外しています。

上手く表現できませんが、タイミングは「相打つ」ものであっても、マルチネスは予備動作の段階で、すでにウィリアムスの左を読んでおり、だからこそ、あの場面で頭部への被弾を回避できたのだと思います。

しかし、一連の動作・流れのなかで、こういったタイミングを創作するボクサーの技術、勇気には、尊敬してやみません。
確信があったとしても、ギャブル性の高い技術に思えるのは、私が素人たる所以でしょうか。

BJ2号様、マルチネスのようなカウンター・パンチャーについて、貴兄のお考えを教えて頂ければ幸いです。

長文で失礼しました。また、返答が遅れましたこと、改めてお詫びします。

最後に、どうぞ良い御年をお迎えください。今後もお教え下さい。

            見張り塔からずっと
見張り塔からずっと 2010/12/30(Thu)19:37:58 編集
マルチネスのカウンターについて
見張り塔からずっと様、いつもありがとうございます。

こちらこそ返信が遅れて申し訳ありません。

マルチネスのカウンターですが、何であんなタイミングで決められるのか、私のレベルでははっきりした事はわかりませんが、自分なりの推論を書いてみます。

何度YouTubeでKOシーンを見直しても、二人のパンチの打ち出しは同時に見えますが、先に動いたのはマルチネスの方ではないでしょうか。

まず、マルチネスの上体を右に傾ける動きがこのKOシーンの最初の動きではないかと思います。

その動きにつられてウィリアムスが左を放った。

マルチネスが上体を右に傾ける動きが、ウィリアムスの左を誘い出す「罠」になっていたのではないかと私は思いました。

この動きで、ウィリアムスの視線は動いたマルチネスの顔面に釘付けになっていたように見えます。

ウィリアムスの左を誘い出し、マルチネスの顔面に注意を集中させ、更に上体を右に逃がしながら(ウィリアムスの左はマルチネスが誘ったものなのでマルチネスには認識でき、直撃を避けることができる)、左パンチを顔面から大きく離れた外側から叩き込む。

ウィリアムスの視線はマルチネスの顔面に集中しており、顔面から大きく離れた外側から飛んできたマルチネスの左パンチはウィリアムスには認識できないため直撃されてしまう。

これがあの場面のマルチネスのカウンターの秘密ではないかと私は思いました。

もしマルチネスが上体を右に傾けた時、ウィリアムスが誘いに乗って左を打ってこなくても、恐らくマルチネスは左を打ったでしょう。

上体を右に傾けて左を誘う→自分の左を外側から打つ、という一連の動きをセットにして身につけてきたのではないかと私は思います。

超人的な反射神経で、何の誘いもなくカウンターを打てるボクサーもいるのでしょうが、私の個人的な考えでは、大部分のカウンターには何らかの誘い、罠が隠されているのではないかと思っています。

ビデオではわからないような小さな動きによる罠が大半なのでしょうが・・・。


最後になりましたが、
あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
BJ2号 URL 2011/01/05(Wed)14:30:53 編集
新年おめでとうございます
新年、明けましておめでとうございます。

返信、ありがとうございます。

大変、興味深く拝見しました。

本年も、宜しくお願いいたします。
見張り塔からずっと 2011/01/06(Thu)20:51:20 編集
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自己紹介:
元プロボクサー、現ボクシングファン。
最近はほとんどテレビ観戦(地上波とWOWOW)のみ。
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