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ラッキーパンチという言葉は、実力では大きく下回る選手が、幸運な一発のパンチによって実力が大きく上回る選手を倒すパンチ、という意味でよく使われている。
果たして、ボクシングにラッキーパンチはあるのだろうか?
ボクシングの「実力」とは、ボクシングの様々な要素を総合した力のことだ。
スピード、パンチ力、スタミナ、テクニック、反射神経など、ボクシングに必要な要素は、ちょっと考えただけでもたくさん挙げられる。
しかし、ボクシングにおけるもっとも重要な要素とは、「認識力」だと僕は考えている。
これを言葉で説明するのは難しいのだけど、無理やり言葉にするとしたら、僕が考えるボクシングにおける「認識力」とは、動画の1秒間のコマ数の差に近いものだと思っている。
通常のカメラで撮影した映像と、ハイスピードカメラで撮影した映像の違い、のようなものが、ボクシングの実力差だと僕は思う。
A・B2人のボクサーが戦っていて、A選手の方がスピードでははるかに上回る、しかし試合ではスピードで劣るB選手の方だけが一方的にパンチを当てている、というような試合の場合、お互いの認識力に大きな差があるのだ。
たとえば、A選手の認識力は1秒間に24コマ、B選手の認識力は1秒間に1000コマ、という感じで。
1秒間に24コマの認識力では、相手が動き出す兆候は認識できないが、1秒間に1000コマの認識力を持っていれば、相手の動き出しのほんのわずかな兆候も読み取ることができるのだ。
それは単に相手の動きが「見える」というのとは違う。
見えていても認識できない場合もあるし、逆に、見えていなくても認識できる場合もある(この辺りが、映像のコマ数の例えとは微妙に違うので、説明が難しいところだ)。
映像のコマ数に例えるより、コンピュータの処理能力に例えた方が近いのかも知れない。
ある選手Aは1秒間に100回の命令を処理できる、別の選手Bは1秒間に1000回の命令を処理できる、となれば、選手Bは選手Aの動きはすべてわかるし、選手Aの「処理の隙間」を突くことができる・・・。
やっぱり、説明が難しいのだが、僕が考える「認識力」とは、「動体視力」という言葉で単純に表現できるものではなく、脳も含めた体全体の処理能力のことなのだ。
僕が初めての6回戦で勝った後、ある4回戦のボクサーとスパーリングをした時のことだ。
それまでの彼とのスパーでは、打ちつ打たれつで6-4くらいで僕がわずかに優勢、というスパーになることが多かったのだが、その時は、彼の動きがすべて手に取るようにわかった。
相手がどう動こうとしているか、どんなパンチを打とうとしているか、自分がどのタイミングでどんなパンチを打てばクリーンヒットするか、すべてがわかった。
彼のパンチは全て空転させ、僕は自在にパンチを打ちまくった。
トレーナーにより、そのスパーは1ラウンド途中でストップになった。
その後も、彼とのスパーは同じような展開になることがほとんどで、最終的には彼とスパーをすることはなくなった。
「彼の動きがすべて見えるようになった」という表現は的確ではない。
「見える」ではなく、全て「わかる」ようになったのだ。
ボクシングの認識力のレベルが1段階上がったのだ、と思った。
恐らく、現役時代の僕と日本ランキング上位の選手、日本ランキング上位の選手と世界レベルの選手の間にも、そのような認識力の差があるのではないかと思う。
認識力に大きな差がある場合、ラッキーパンチを受ける可能性など万に一つもない。
お客さんから見て「危ない!」と思えるギリギリのシーンがあったとしても、戦っている本人はまったく危険ではないのだ。
僕が4回戦のボクサーとスパーをした時のように、相手の動きはすべてわかっていて、わかった上でギリギリのタイミングを選択しているのだから。
逆にいえば、ラッキーパンチ(だと思えるパンチ)が当たったとしたら、それは実力差のある選手同士の試合ではない、ということだ。
ということは、それはラッキーパンチではなく、実力通りの結果ということになる。
ボクシングにラッキーパンチなどあり得ない、というのが、今の僕の考えだ。
認識力はどんな練習をすれば高められるのか、僕にはわからない。
僕の場合は、日々同じようなボクシングの練習をして、試合に出ていたら、ある日突然認識力のレベルが上がっていた。
少しずつではなく、本当にある日突然上がったのだ。
恐らく、毎日毎日、単調な練習を、ちゃんと意識しながら延々と繰り返すことしか、認識力を上げる方法はないのだろう、と思う。
果たして、ボクシングにラッキーパンチはあるのだろうか?
ボクシングの「実力」とは、ボクシングの様々な要素を総合した力のことだ。
スピード、パンチ力、スタミナ、テクニック、反射神経など、ボクシングに必要な要素は、ちょっと考えただけでもたくさん挙げられる。
しかし、ボクシングにおけるもっとも重要な要素とは、「認識力」だと僕は考えている。
これを言葉で説明するのは難しいのだけど、無理やり言葉にするとしたら、僕が考えるボクシングにおける「認識力」とは、動画の1秒間のコマ数の差に近いものだと思っている。
通常のカメラで撮影した映像と、ハイスピードカメラで撮影した映像の違い、のようなものが、ボクシングの実力差だと僕は思う。
A・B2人のボクサーが戦っていて、A選手の方がスピードでははるかに上回る、しかし試合ではスピードで劣るB選手の方だけが一方的にパンチを当てている、というような試合の場合、お互いの認識力に大きな差があるのだ。
たとえば、A選手の認識力は1秒間に24コマ、B選手の認識力は1秒間に1000コマ、という感じで。
1秒間に24コマの認識力では、相手が動き出す兆候は認識できないが、1秒間に1000コマの認識力を持っていれば、相手の動き出しのほんのわずかな兆候も読み取ることができるのだ。
それは単に相手の動きが「見える」というのとは違う。
見えていても認識できない場合もあるし、逆に、見えていなくても認識できる場合もある(この辺りが、映像のコマ数の例えとは微妙に違うので、説明が難しいところだ)。
映像のコマ数に例えるより、コンピュータの処理能力に例えた方が近いのかも知れない。
ある選手Aは1秒間に100回の命令を処理できる、別の選手Bは1秒間に1000回の命令を処理できる、となれば、選手Bは選手Aの動きはすべてわかるし、選手Aの「処理の隙間」を突くことができる・・・。
やっぱり、説明が難しいのだが、僕が考える「認識力」とは、「動体視力」という言葉で単純に表現できるものではなく、脳も含めた体全体の処理能力のことなのだ。
僕が初めての6回戦で勝った後、ある4回戦のボクサーとスパーリングをした時のことだ。
それまでの彼とのスパーでは、打ちつ打たれつで6-4くらいで僕がわずかに優勢、というスパーになることが多かったのだが、その時は、彼の動きがすべて手に取るようにわかった。
相手がどう動こうとしているか、どんなパンチを打とうとしているか、自分がどのタイミングでどんなパンチを打てばクリーンヒットするか、すべてがわかった。
彼のパンチは全て空転させ、僕は自在にパンチを打ちまくった。
トレーナーにより、そのスパーは1ラウンド途中でストップになった。
その後も、彼とのスパーは同じような展開になることがほとんどで、最終的には彼とスパーをすることはなくなった。
「彼の動きがすべて見えるようになった」という表現は的確ではない。
「見える」ではなく、全て「わかる」ようになったのだ。
ボクシングの認識力のレベルが1段階上がったのだ、と思った。
恐らく、現役時代の僕と日本ランキング上位の選手、日本ランキング上位の選手と世界レベルの選手の間にも、そのような認識力の差があるのではないかと思う。
認識力に大きな差がある場合、ラッキーパンチを受ける可能性など万に一つもない。
お客さんから見て「危ない!」と思えるギリギリのシーンがあったとしても、戦っている本人はまったく危険ではないのだ。
僕が4回戦のボクサーとスパーをした時のように、相手の動きはすべてわかっていて、わかった上でギリギリのタイミングを選択しているのだから。
逆にいえば、ラッキーパンチ(だと思えるパンチ)が当たったとしたら、それは実力差のある選手同士の試合ではない、ということだ。
ということは、それはラッキーパンチではなく、実力通りの結果ということになる。
ボクシングにラッキーパンチなどあり得ない、というのが、今の僕の考えだ。
認識力はどんな練習をすれば高められるのか、僕にはわからない。
僕の場合は、日々同じようなボクシングの練習をして、試合に出ていたら、ある日突然認識力のレベルが上がっていた。
少しずつではなく、本当にある日突然上がったのだ。
恐らく、毎日毎日、単調な練習を、ちゃんと意識しながら延々と繰り返すことしか、認識力を上げる方法はないのだろう、と思う。
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自己紹介:
元プロボクサー、現ボクシングファン。
最近はほとんどテレビ観戦(地上波とWOWOW)のみ。
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