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とにかく凄い、の一言だった。

事前に予想を書こうかとも思ったのだが、どうしても考えがまとまらず・・・。

普通に考えたら、さすがにマルガリートとの体格差を覆すのは無理だろう。

でもこれまでも不可能を可能にしてきたのがパッキャオだから、今回も何とかするんじゃないだろうか・・・。

というような考えが頭の中でぐるぐる回り続けて、結局試合前に予想を書くことができなかった。

試合は僕の予想なんかはるかに超えた激しいものになった。

1ラウンドからパッキャオの鋭い右ジャブ、左ストレート、右フックがマルガリートの堅いガードの隙間に突き刺さる。

しかしマルガリートも多少の被弾を覚悟した上で前に出てプレッシャーを掛け続けた。

その内マルガリートの右目は塞がり、一方的な展開になってしまったが、途中、ボディブローでパッキャオの腰を落とさせたり、スリリングな素晴らしい試合だった。

序盤でパッキャオのボディブローが効いてマルガリートが後退する場面もあったので、早いKOもあるかと思ったのだけど、さすがにマルガリートは心も体もタフだったなあ。

でもパッキャオがもう少しボディを打っていればもっと一方的な展開になったような気もする。

10ラウンド終盤、マルガリートのジャブの引き際(=右の打ち出し端)にパッキャオが放った右フックは鳥肌ものだった。

最後まで戦い続けたマルガリートも素晴らしかったが、やっぱりパッキャオの凄さはずば抜けていた。

パッキャオはこれから誰と戦うのだろう?

今回の試合も、一旦増量しようとしたがスピードが落ちたので体を絞りなおした、と言っていたので、これ以上重い階級は厳しいと思う。

スーパーライトから重くてもウェルターくらいが今のパッキャオの適正階級だろう。

となるとやっぱり、パッキャオに相応しい対戦相手はメイウェザーしかいないと僕は思うのだけど、実現するのだろうか・・・。

パッキャオを苦しめるとしたら、マルガリートのような大きな体格の選手ではなく、下の階級から上がってきてパッキャオのスピードを苦にしない選手かも知れない。

下の階級にも、パッキャオほど速い選手はいないかも知れないけど・・・。

後は徹底的にボディを攻められる選手か・・・。

ロベルト・デュランやシュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズらが同じ時代にいたら、パッキャオとどんな戦いを見せてくれたのだろう、と夢想せずにはいられないが、それは無い物ねだりだ。

やはりマニー・パッキャオとフロイド・メイウェザーの戦いを見てみたいものだ。
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昨日の西岡利晃選手とレンドール・ムンロー選手の試合、素晴らしい試合だった。

西岡利晃選手の最高傑作と言ってもいい試合だったんじゃないだろうか。

西岡選手の右ジャブ、右ボディ、左ボディが際立っていた。

特に右ジャブは、1ラウンド目からムンロー選手の高いガードの隙間に見事に突き刺さっていた。

ポジションを変えながら相手の前進をストップした西岡選手の右ジャブ、素晴らしかった。

サウスポーの選手は、右構えの選手との対戦が多い。

相手が右構えの場合、サウスポーの右ジャブは相手の左グローブに阻まれるから右ジャブは使いにくいものだ。

そのため、右ジャブの練習にはあまり力を入れないサウスポーの選手も多い。

しかし、西岡選手はさすがだった。

左ジャブが得意な右構えの選手と同等以上に鋭い右ジャブが印象的だった。

それにしても、ムンロー選手はタフだったなあ。

採点は大差だったし、一発の威力もそれほどでもなさそうだったが、見ている方としては最後まで気を抜けなかった。

最後まで勝つためにプレッシャーをかけ続けたムンロー選手、立派だったと思う。

その強い挑戦者に、全ての面で上回って完勝した西岡選手、本当におめでとうございます。

最後まで止まらないフットワーク、最終ラウンドのKOを狙ってのラッシュには感動した。

34歳にして全盛期を迎えつつある西岡利晃選手、まだまだ強くなるんじゃないだろうか。

今後のビッグマッチに期待したい。

昨日はアンダーカードも素晴らしかった。

ホルヘ・リナレス選手はヘスス・チャベス選手にほとんど何もさせなかった。

左ジャブと左アッパーに更に磨きがかかっていたな。

次はライト級狙いか、内山高志選手への挑戦か・・・。

リナレス選手は本当に素晴らしい選手だし、昨日の試合を見ても本当に強いのはよくわかっているが、それでも、内山高志選手なら何かやってくれそうな期待はある。

内山高志選手vsホルヘ・リナレス選手、試合自体はものすごく見てみたいのだが、どちらかが負けてしまうところは見たくない、という複雑な気持ちだ。

亀海選手もローマン・ゴンザレス選手も、皆素晴らしいパフォーマンスだった。

贅沢な夜だった。
いよいよ明日、西岡利晃選手と、ランキング1位のレンドール・ムンロー選手のタイトルマッチだ。

WOWOWで計量の生中継を見たのだが、二人とも大きくアンダーしたなあ。

西岡選手500グラムアンダー、ムンロー選手800グラムアンダー。

二人ともきっと減量には問題がないのだろう。

西岡選手の表情がとても爽やかでリラックスしていたのが頼もしかったな。

計量を生中継で見たのは初めてだったけど、計量を見ると試合に対するワクワク感が強くなった。

楽しみだ・・・。

ムンロー選手は何試合かをYoutubeで見たくらいなんで予想はできないけど、突進力とハートが強そうな印象を持った。

西岡選手には、ハートも含めた全ての面でムンロー選手を上回って欲しいな。

西岡選手の若い頃のダイジェストもYoutubeで見直したのだが、やっぱりあの左は凄い。

そして左が目立つけど、実は右の使い方もとても上手い(世界王者だから当然といえば当然だけど)。

明日の試合はサウスポー同士なので、右の使い方は大切になってくる。

鋭い右ジャブでムンロー選手の前進を止めるシーンを見たいものだ。

それと、ムンロー選手が頭を低くして入ってきそうなのでアッパーも有効だろうか。

ムンロー選手の突進を止められずに距離が詰まってしまったら、体力比べのような展開に持ち込まれて苦しくなるかも知れないが、そんな展開になっても戦えるように、西岡選手は色々と対策を練っているだろう。


若い頃の西岡選手は、試合中にいいパンチが入ると、よく笑っていた。

決して相手を見下すような笑いではなく、試合中に本当に楽しそうに笑うのだ。

戦うのが嬉しくて仕方がない、ボクシングが楽しくて仕方がない、という笑顔で。

挫折を味わった西岡選手は、もう試合中にはあんな風に笑うことはないのだろうか。

また試合中の西岡選手の笑顔を見てみたい、と思っている。
昨日、たまたまテレビをつけた時にやっていたNHKの「ディープピープル」という番組の最後の10分弱くらいを見た。

鈴木大地さん、中村真衣さん、古賀淳也選手という背泳の元選手と現役選手が3人でしゃべっていたのだが、ちょうどウェイトトレーニングの話をしていた。

女子背泳の第一人者だった中村真衣さんは、

「結局は男になれば勝てる!と思って、男なみの筋肉をつけようとウェイトトレーニングをガンガンやっていた」

という。

それに対して唯一の現役選手である古賀淳也選手は、

ウェイトトレーニングはやらない。理想の泳ぎをしていれば、使われるべき筋肉が使われているのだから必要な筋肉は鍛えられるはず。だから理想の泳ぎを追求することだけに専念したい

という意味のことを言っていた。

たまたま見た番組で録画もしていないので、正確な言葉ではないが、大意は間違っていないと思う。

僕が以前「ボクサーのウェイトトレーニングについて」で書いたことは、古賀淳也選手の考えにとても近いものだと思う。

競技は違うが現役のトップアスリートが似たような考えを持っていることを嬉しく思った。

僕が「大部分のボクサーにとってウェイトトレーニングは必要ない」という考えに至ったのは、実はある本の影響が大きい。

1980年代末~90年頃に刊行された、高岡英夫氏の「鍛錬シリーズ」だ。

中でも、「鍛錬の方法 世界最強をめざす人だけが読む本」(恵雅堂出版)という本では、井岡弘樹さんの例を挙げて、ボクサーのウェイトトレーニングを扱っていたので興味深く読んだ。

当時の高岡英夫氏の著作はどれもものすごく難解だったので、多分書いてあることの2割くらいしか理解できていないと思うけど・・・。

自分なりに高岡氏が書いていることを要約してみようと思う。

井岡弘樹さんは、タイのナパ・キャットワンチャイ選手と三度戦った。

井岡弘樹選手とナパ・キャットワンチャイの初戦は引き分け、二戦目は僅差の判定負けだった(ラストラウンドに疑惑のゴングはあったがそれまでの内容・採点は僅差だった)。

この時点で、井岡選手とナパ選手のボクシングの実力はほぼ互角に近かったはず。

ナパとの二戦目の後、井岡選手はスポーツ科学の権威の大学教授の指導を仰ぎ、恐らく日本のボクサーとしては初めて本格的なウェイトトレーニングを導入した。

一方、ナパは今まで通りボクシングの伝統的なトレーニングだけを行っていた。

半年後に三度目の対戦をした時には、一方的な展開でナパが井岡選手をKOした。

これは、二戦目から三戦目の半年の間に、ナパと井岡選手のボクシングの実力差が大きく開いてしまったことを意味する。

その理由として、高岡氏は、

1.新しいトレーニングを導入したことで、ユニティ(アスリートが全能力を発揮するための全体として調和した構造)が崩れた。
 ユニティを再編するためには、短く見積もっても1年から3年は必要で、半年という期間は短かすぎた。

2.井岡選手のハートは、本来の課題(ボクシングの戦術・動作を徹底的に鍛錬すること)を徹底鍛錬する道程を僅かに外れて、科学的トレーニングの方向へ引き込まれてしまっていた。

3.トレーニングを処方したスポーツ科学者には「ラフパワー」(粗制的パワー)しか見えていなかった。
 本来は、「レフパワー」(精制的パワー)を鍛えるウェイトトレーニングをする必要がある。
 (要は、科学的ウェイトトレーニングで鍛えた「ラフパワー」がボクシングの動作につながらなかったということだろうか?)

という3つを挙げている。

これを読んでから、「大部分のボクサーにウェイトトレーニングは必要ない!」という僕の考えが決定付けられたのではないかと思う。

ウェイトトレーニングをするなら、上記3つの井岡選手の失敗の原因を除去するために、

1.ウェイトトレーニングを導入してから1年から3年は大きな試合はしない

2.重いバーベルを挙げることに熱中するのではなく、このウェイトトレーニングがボクシングにどう役立つのかを常に意識しながらトレーニングする

3.「レフパワー」を鍛えるウェイトトレーニングを教えられる指導者の指導を受ける

ということが必要だろうと僕は思う。

そしてその3つを満たすのはものすごく困難なことだ(特に1と3)。

だったら、いっそのことウェイトトレーニングはしない方がいいと僕は思うのだ。

ただ、高岡氏も、ウェイトトレーニングが全く無駄と言っているわけではなく、井岡選手のウェイトトレーニングについて、
半年でナパ選手に勝つためにはまったく無意味だったと断言できますが、二年後に一階級上のジュニアフライ級でタイトルに挑戦するためと考えれば、成功への一路程として捉えることもできるのではないでしょうか。
と書いている(この本の出版は1989年)。

高岡氏の「予言」通り、井岡選手は1991年に、名王者・柳明佑からジュニアフライ級のタイトルを奪ったのだった・・・。


高岡英夫氏は、現在は「ゆる体操」の指導者として脱力の重要性を説いており、とても読みやすい平易な(それでも奥は深そうだが)本も多数書いている。

また、「体軸」や「正中線」などを「身体意識」と名付け、それを鍛える方法も公開している。

テレビに出たのを見ると少し「痛い人」に見えることもあるが、ボクサーにとっても参考になる点は多いはずだ。

一度書店で手にとって見て、参考になりそうなら一読を勧める。


今日は井岡弘樹さんの甥、井岡一翔選手の日本タイトルマッチか。

時間が経つのは早いものだ・・・。


最後に、「結局は男になれば勝てる!と思って、男なみの筋肉をつけようとウェイトトレーニングをガンガンやっていた」という中村真衣さんには、同じ高岡英夫氏の鍛錬シリーズ「鍛錬の実践」から、こんな言葉を贈りたい。

ラフパワーで勝てるくらいなら競技など止めてしまえ!


亀田大毅選手と坂田健史選手の試合、亀田選手の強さに驚いた。

僕の採点では、迷いながら最終ラウンドを坂田選手に付けて、114-114のドロー。

最終ラウンドが亀田選手なら115-113で亀田選手の勝ち。

試合が終わった瞬間、亀田選手の防衛が確実なことはわかった。

内藤選手と興毅選手の試合の時もそうだったが、今回も亀田選手を過小評価していたようだ。

過小評価していた理由は、強い相手との対戦が少ないから実力が測れなかったことの他に、亀田家にはトレーナーがいないということもあったのかも知れない。

実際には、興毅選手という素晴らしいトレーナーがいることは興毅選手と内藤選手との試合で証明されていたのに。

ポンサクレック戦の敗戦で忘れてしまっていたのか。

不明を恥じるしかない。


大毅選手の入場の時、興毅選手の右目上にあざがあったように僕には見えた。

恐らく、興毅選手が右構えで仮想坂田選手の役割を果たし、大毅選手の左フックを浴びたのだろう。

興毅選手は戦略を立てられ実際に動くこともできる、素晴らしい選手兼トレーナーなのだろう。

今まで僕には、亀田兄弟は普通のボクシングジムに通うボクサーより甘やかされている、という考えが少しあったのだが、これは逆かも知れない。

全てを自分でやってきた亀田兄弟に比べると、普通のボクシングジムに通うボクサーの方が(一部の例外を除いて)ずっと甘やかされているのかも知れない。


亀田大毅選手は減量がかなり苦しかったようだが、試合にはほとんど影響なかったな。

きっと内臓も強いのだろう。

ラウンド間のインターバルには疲れた表情を見せていたが、ラウンド中はしっかり動けていた。


坂田健史選手は最初から最後まで根性を見せてくれたが、亀田選手の方が色んな意味で上手かったし、根性というか、勝利への執念でも上だったな。

坂田選手には衰えも感じられた。

終盤の失速は、衰えでスタミナが落ちたせいではなく亀田選手に失速させられたのだろうけど。


坂田健史選手が全盛期だったら、という考えが頭に浮かんだが、すぐにそんな考えは不公平極まりないということに気がついた。

坂田健史選手は「もう」全盛期ではないかも知れないが、そんなことを言ったら、21歳の亀田大毅選手は恐らく「まだ」全盛期を迎えてはいないのだ。

二人とも、昨日の時点の力を出し切って戦い、亀田大毅選手が勝った。

今後は偏見なくボクサーの実力をちゃんと見なければならないことを痛感した。

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プロフィール
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BJ2号
性別:
男性
自己紹介:
元プロボクサー、現ボクシングファン。
最近はほとんどテレビ観戦(地上波とWOWOW)のみ。
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